Keyboard Quantizer rev.4のビルド環境を作る

PC・スマホ関係

少し前なのですが、KeyboardQuantizerを購入しました。

GitHub - sekigon-gonnoc/keyboard-quantizer-doc: Convert your keyboard QMK enabled
ConvertyourkeyboardQMKenabled.Contributetosekigon-gonnoc/keyboard-quantizer-docdevelopmentbycreatinganaccountonGitHub.

このデバイスは、キーボードとPCの間に挟んで繋ぐことで、キーボードの入力を別の入力に変換することができるデバイスです。
また、USBハブを介してキーボードとマウスを両方繋ぐこともできるため、キーボードで特定のキーを押している間、マウスの左クリックをEnter操作にする、みたいなことも可能です。

すでに公式サイトで、いろいろカスタマイズ可能なファームウェアを公開して下さっているので、あまり自分でビルドする必要も無い気がしますが、せっかくなのでビルド方法を記載しておきます。

3行まとめ

  • QMK MSYSは1.7.1を使えばビルドできる
  • コードはgithubで管理されているので、gitの操作がある程度必要
  • 公式のコードがいろいろサポートされていて、ビルドの手順は難しくない

ビルド環境を作る

まずはビルド環境を作ります。
大前提として、Windows上でのビルド環境になります。

Windows上でqmk firmwareをビルド環境構築をググると、QMK-MSYSを使うのがよいと出てきますので、それに従ってみました。
QMK-MSYSの公式サイトに飛びます。

QMK MSYS
AWindowsone-clickinstallerfortheQMKCLI

公式サイトに飛ぶと、以下のような画面が表示されますので、「Latest Version」をクリックします。

続いて、以下のダウンロード画面に飛ぶので、「QMK_MSYS.exe」をクリックしてインストーラをダウンロードします。

2022/6/29時点ではLatestが1.7.1ですが、今後のバージョンアップに従って、変わっていくと思います。過去のバージョンでは、ビルドエラーが起きることもあったので、Latest Versionがビルドエラーなど起きる場合は、この1.7.1を試してみるとよいと思います。

続いて、インストーラを実行し、QMK MSYSをインストールします。
基本的には以下の画像の赤線のように、OKを押していけば大丈夫です。
インストーラを実行すると、最初にWindowsの保護機能が働いてブルー画面の警告が出ますが、気にせず実行しましょう。

ビルド環境のインストールはこれで完了です。

ソースコードの取得

続いて、Keyboard Quantizerのソースコードを取得します。
ここからはインストールしたQMK MSYSを実行し、コマンドを実行して行くことになります。

QMK MSYSを実行すると、以下のようなCLIの画面が出てきますので、qmk setupを行います。
今回はKeyboard Quantizer用のrepositoryを使いたいので、以下のコマンドを実行します。

qmk setup sekigon-gonnoc/qmk_firmware

すると、qmk_firmwareをclone(ダウンロード)するか確認されますので「y」と入力してEnterします。

最終的に以下の画面になって、cloneが完了します。

次は、Keyboard Quantizer用のコードに切り替えます。以下のコマンドを実行して下さい。

cd qmk_firmware/
git checkout -b rp2040 origin/rp2040

続いて、sub moduleの取得を行います。

make git-submodule

以下の画面になったら、コードの取得が完了しました。

取得したソースコードをビルドする

いよいよソースコードをビルドします。
とはいえ、ここまで環境ができていれば、1コマンド実行するだけでビルドが完了します。

make keyboard_quantizer/rp:default:uf2

最終的に以下の画面になったら、ビルド完了です。

ビルドしたファームウェア(.uf2ファイル)は、以下に保存されています。

ビルドしたファームウェアをKeyboard Quantizerに書き込む

ビルドしたファームウェアをKeyboard Quantizerに書き込みます。

Keyboard Quantizerを書き込みモードにするためには、TeraTermなどのterminalソフトが必要になります。今回はTeraTermを使ってみます。

まずはTeraTermをインストールしましょう。以下のURLを開き、インストーラをダウンロードします。

https://ja.osdn.net/projects/ttssh2/releases/

ダウンロードできたら、インストーラを開きます。
基本的には、次へ次へ、と進めていけば問題ありません。
開くと、言語を選択するダイアログが出てきますので、日本語のままでOKを押します。

使用許諾契約書の同意画面が出てきますので、同意するを選び、OKを押します。

インストール先を選ぶ画面が出ます。そのままでよいと思います。

インストールコンポーネントを選ぶ画面が出ます。デフォルトから変えずそのままでよいと思います。

言語を選ぶ画面が出ます。そのままでよいと思います。

プログラムグループの指定の画面が出ます。そのままでよいと思います。

追加タスクの選択画面が出ます。そのままでよいと思います。

インストールの準備ができました。インストールを押します。

インストールが完了しました。「今すぐTera Termを実行する」にチェックを入れ、完了を押します。

Tera Termが起動します。以下の画面になると思います。
ここで、シリアルを選べる方は選び、ポートのドロップメニューにどういった項目があるか確認します。特に何も選ぶ必要は無く、確認するだけでOKです。後でこの情報が必要になります。

この場では、一旦キャンセルします。

Keyboard QuantizerをPCに接続します。
私の持っているKeyboard Quantizerは調子が悪いのか、接続してもLEDランプがつかない場合が多々あります。そういう場合は抜き差しを繰り返していると、そのうちランプがつきますので、その状態で「ファイル」メニューから「新しい接続」を選びます。

先ほどキャンセルした、接続先を選ぶ画面が出ます。
今回は「シリアル」の「ポート」の項目に、Keyboard Quantizer用の項目が追加されているはずですので、それを選びます。

見た目には代わり映えばありませんが、これでKeyboard Quantizerのcomポートに接続しています。
この状態で「b」と入力します。
すると、右側のようなフォルダが表示されると思います。

このフォルダに、先ほどビルドしたファームウェアのファイルをドラッグ&ドロップします。

これで、ビルドしたファームウェアがKeyboard Quantizerに書き込まれます。
自動的にKeyboard Quantizerは再起動し、書き換えたファームウェアで動き出します。

以上で書き換えが完了しました。

まとめ

Keyboard Quantizer rev.4用のビルド環境構築、ファームウェアのビルド、書き換えの手順をまとめました。
次回は実際にコードを書き換えて、自分の変更したい挙動を試したいと思います。
が、恐らく次回は結構先になってしまうかもしれません・・・。

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